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インドネシア不動産大手、「高齢者の街」100カ所に 日本人向け、介護手厚く

現時点では移住に踏み切る人は少ないかもしれないが、ロボットや同時通訳技術の進化、和食などのジャパンサービス世界進出加速の先には、世界各地に日本ビレッジができる可能性はある。

日本経済新聞:2015年3月27日)

インドネシアの不動産開発大手、ジャバベカは住宅を中心に病院、教育施設などを併設する高齢者向けのシニアタウンを国内100カ所に設置する。日本の介護サービス事業者、ロングライフホールディングなどと連携し、リタイアした日本人高齢者を主要顧客として呼び込む考えだ。

 同社は2014年9月から西ジャワ州ブカシ県で、ロングライフと介護サービス付き高齢者向け住宅「シニアリビング」を運営している。最終的に約400世帯が暮らす見通しだ。

 ダルモノ社長は日本経済新聞の取材に「西ジャワを中心に全土100カ所にシニアタウンを開発する」と明らかにした。

 まず、ジャワ島西部のリゾート地、タンジュン・レスンにシニアタウンを開発する。約1500ヘクタールの敷地にシニア向けの戸建て住宅や集合住宅を建設。周辺にホテルやゴルフ場、マリーナ、商業施設のほか、高速道路や空港も一体開発する計画だ。

 既に1億4千万ドルを投じて開発を進めており、「さらに5億ドルの開発費用を見込んでいる」(ダルモノ社長)という。

 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は2月にタンジュン・レスンを訪れ、同地区を経済特区(SEZ)として正式に承認した。ジャバベカはロングライフ以外の日系企業とも協力して開発を進め、富裕な日本人高齢者を誘致する。

 ジャバベカは1989年創業。インドネシア西ジャワ州ブカシ県で、広さ1570ヘクタールの「ジャバベカ工業団地」を開発・運営する。住宅や商業施設、ゴルフ場などの総合開発を手がけるほか、大学や病院も傘下に持つ。

 シニアタウンはインドネシアの島々などに設け、会員制などの形をとり、インドネシア国内で高齢者が各住宅を行き来しながら暮らせるようにする。

 インドネシアは55歳以上の外国人に1年間有効のリタイアメントビザを発給し、5回の延長が可能だ。さらに長期の滞在ビザも「政府と協議している」(ダルモノ社長)という。