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フェイスブックで「離婚手続き」?、ニューヨーク裁判所が承認

民事訴訟を起こしたい相手が、住所不定である確率は高い。本人確認方法などの整備が進んでいけば、内容証明郵便の代わりになるようなSNSサービスが生まれる余地はある。

(CNN:2015年4月9日)

 米ニューヨークの裁判所はこのほど、インターネットの交流サイト(SNS)大手「フェイスブック」を通して離婚申し立ての手続きを取ることを認める判断を下した。同市ブルックリンの女性が、夫にはほかに連絡する手段がないと主張していた。

近い将来、フェイスブックのタイムラインには「交際中」「結婚しました」だけでなく、「離婚を申し立てられました」などと表示される日がくるかもしれない。

ブルックリン在住のガーナ人女性、エラノラ・アーサー・バイドゥーさんは、数年前から夫との離婚を望んでいた。だが担当弁護士によると、夫は「住所も勤務先も不定だ」と繰り返し、電話でも連絡がつかない。離婚申し立ての手続きに必要な「呼び出し状」を届けたくても、拒否される状態が続いた。

しかし、そんな夫もフェイスブックにはアカウントを持ち、絶えず閲覧していることが分かっていた。同弁護士はこの事実を証明するとともに、バイドゥーさんが「代替手段」で呼び出し状を送付することを認めてほしいと、裁判所に申し立てた。

担当弁護士によれば、バイドゥーさんは夫に慰謝料などの支払いを求めているわけではない。「ただ新たな人生を歩んでいきたいと願い、離婚の成立を願っているだけだ」という。

同弁護士はこれまでにフェイスブック上で2回、夫への接触を試みたが、応答はなかった。夫が呼び出し状を受け取っても応答しなかった場合、夫側に異議はないとみなされ、離婚手続きを進めることができるという。

判事は、フェイスブックや短文投稿サイト「ツイッター」などのソーシャルメディアは近年広く使われるようになったとの認識を示し、公式の文書を送る場として新たに加えることができると判断した。

バイドゥーさんと夫は2009年に結婚したが、夫がガーナ式の伝統的な挙式を拒否したことをきっかけに、直後から関係が悪化した。夫婦で一緒に暮らしたこともないという。