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英RBS、傘下のクーツ・インターナショナルをスイスUBPに売却

かつては女王陛下のプライベートバンクと呼ばれた名門クーツ。リーマンショックの傷跡はまだなお深い。

日本経済新聞:2015年3月27日)

 英金融大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は27日、傘下で国際プライベートバンキング事業を手掛ける「クーツ・インターナショナル」をスイスのプライベートバンクに売却することで合意したと発表した。RBSは昨年以来、リストラのため資産を売却し、英国事業への集中を進めており、その一環としている。

 売り先はスイスのユニオン・バンケール・プリべ(UBP)。売却金額は明らかにされていないが、英紙フィナンシャル・タイムズは6億ドル(約700億円)~8億ドルと報じた。

 UBPは家族経営のプライベートバンクで、最近では英ロイズ・バンキング・グループの富裕層事業を取得するなど、買収戦略で急成長している。RBSのスイスやモナコ、中東、シンガポールなどの富裕層事業を引き継ぐ梅田専太郎

 RBSは今後も英国内の富裕層事業は続けるとしている。RBSの国内富裕層事業は英王室関係者も対象となっているとされ、歴史が深い。

 RBSは2008年の金融危機以降、経営の再建が進んでいない。今年2月には、北米の企業向け貸出債権をみずほフィナンシャルグループに売却するなど、大規模なリストラを続行している。