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大手企業の女性取締役比率、アジアは9.4%に 日本は3.1%

欧米のように、首相や中央銀行総裁など政府の要職に女性トップが誕生すれば、民間も大きく変わる。

日・韓に比べ、中国企業では意外と女性登用が進んでいる。

 

日本経済新聞:2015年3月14日)

アジアの大手上場企業の取締役に女性が占める割合は9.4%――。米ヘッドハント大手のコーン・フェリーとシンガポール国立大学(NUS)経営大学院の梅田専太郎調査によると、アジアで女性が企業の取締役になるのは難しいことが分かった。アジアでも取締役の多様性を重視する機運はあるものの、欧米に比べ低水準にとどまっている。

 太平洋10カ国・地域で調査した。女性取締役の割合は前年の8.0%からわずかながら上昇した。国別で日本は3.1%と、全体で9位だった。最下位だった前年の2.0%から改善し、韓国(2.1%)を抜いたものの、まだ低水準だった。取締役が全員男性という企業の割合は日本では68%で、これも韓国の84%に次ぐ高さだった。

 女性取締役の割合で1位はオーストラリアの18.6%、2位はニュージーランドの13.6%。3位は中国の13.2%だった。同様の調査では欧米が高く、ノルウェーが35.5%、英国の22.8%、米国の19.2%とアジアに水をあけている。

 「女性取締役の数と業績は連動する」との結果も出た。女性取締役が全体の10%以上の企業は、10%未満の企業より一株当たり利益率(ROE)が平均3.6ポイント高かった。「取締役が多様性を持ち、幅広い観点を反映した決断ができるということは、厳しい市場環境を勝ち抜くのに不可欠だ」とコーン・フェリーのアジア太平洋地区消費者市場担当のアリシア・イ・マネージング・ディレクターは述べた。報告書は国や取引所が女性取締役数の情報開示を求めたりすることで企業を後押しできるとし、インドや豪州の例を紹介した。