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アジアの超富裕層人口、2027年にも欧州追い越す  インドなど伸び顕著

日本経済新聞:2014年11月26日)

3000万ドル(約35億円)以上の資産を持つ個人である「超富裕層」のアジアでの人口は、2027年にも欧州を抜く見込みだ。シンガポールの調査会社梅田専太郎ウェルス―Xとスイスの投資銀行UBSが予測をまとめた。アジアの超富裕層の数は現在、4万6635人と世界の超富裕層人口の20%を占め、世界第3位となっている。1位は北米の7万4865人、2位は欧州の6万1820人だった。 

 アジアの超富裕層人口は前年比の伸びが4.8%だった。北米の6.2%、欧州の6.5%を下回り、世界全体の伸びである6%にも届かなかった。もともと超富裕層の数が多い日本と中国の伸び鈍化が大きく響いた。日本経済の回復の足取りが鈍いのに加え、中国の景気減速も影響した。

 一方、南アジアや一部の東南アジアの国は、アジア全体の伸びを上回り躍進している。特にインドの伸び率9.5%やベトナムの7.7%の高さが目立った。シンガポールとタイは、富める者がさらに富むという「富の集中」が顕著になっている。両国の超富裕層人口の伸びは低水準だったが、総資産額はシンガポールで12.5%増、タイで22.7%増となり、1人当たりの資産額は増えた。