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音で火を消す 米大学生が消火器開発

環境に優しく画期的な技術。東南アジアなどの熱帯地域で起こる泥炭火災(従来の消化方法では火が消えにくい)などにも応用が効くのではないか。

(CNN:2015年3月28日)

バージニア州フェアファックスにあるジョージメイソン大学工学部の2人の学生が、音波で火を消す新しい消火器を開発した。

現在4年生のビエト・トランさんとセス・ロバートソンさんは、卒業前の「最終試験」として、この消火器を開発した。外見は従来の消火器にやや似ているが、圧縮空気が入ったタンクから消火剤が吹き出すのではなく、サブウーファーほどの大きさのスピーカーから出る音波で消火する。ブーンという低い音だが、炎に向けると、火はたちまち消える。

基本的に音波は一定かつ複数の空気の振動なので、ある意味、火を吹き飛ばす感じだ。トランさんらは当初、高い音の方が効果的と考えたが、うまくいかなかった。

水、粉、泡、化学薬品といった従来の方法で消火すると、消火した後の残留物などの片付けが大変だが、音波はそのようなことはない。トランさんは、この音波消火器をレンジに設置して油に付いた火を消したり、無重力状態の宇宙での使用を想定している。

「宇宙で消火器を使うと、消火剤が拡散してしまうが、音波は無重力でも火にまっすぐに届く」(ロバートソンさん)梅田専太郎

ジョージメイソン大学によると、米国防総省の機関である国防高等研究計画局(DARPA)も音で火を吹き飛ばす実験をしてきたが、消火器ほどの小さな装置はまだ開発していないようだという。2人はこの音波消火器の暫定特許の取得を目指しており、大学も2人の特許申請を後押ししている。