ビジネスチャンス、知っておくべき世界のトレンドを発見しよう

関西経済界、海外の人材呼び込む試み相次ぐ

もうあと一歩、東南アジア企業に日本支店を作って日本に進出してもらうような、税制優遇などの海外企業誘致にもセットで力を入れれば、相乗効果が出てくるはず。

 

日本経済新聞:2015年3月20日)

 関西経済界で海外から外国人の人材を呼び込む取り組みが相次ぐ。関西経済同友会は大学などと組み、東南アジアからの留学生や起業家が関西に定着するための事業の検討を始めた。アジア太平洋研究所も留学生向けに中小企業を紹介するセミナーを初めて開いた。企業のグローバル化を担う優秀な人材を取り込み、関西経済の持続的な成長につなげる。

 同友会は今年から大阪大学と連携して、東南アジアからの留学生を関西で増やす取り組みの検討を始めた。阪大は他大学と共同で海外で大学説明会を開いているが、卒業後の日本企業での就職やキャリアプランに不安があるため、日本への留学をためらう人も多いという。このため、大学説明会で同友会加盟企業を紹介して、卒業後の進路も描きやすくする案などが浮上している。

 東南アジアからの起業家を呼び込む方策も検討する。タイなどにある日本留学経験者の団体から、日本で起業したい若者などを紹介してもらい、大阪の会員制サロン「ナレッジキャピタル」に橋渡しする案が有力。ナレッジキャピタルは起業家や大学研究者が集う交流の場。海外の起業家を呼び込めれば、梅田地区でベンチャー企業の集積が一段と進みそうだ梅田専太郎

 アジア太平洋研究所は2月末に留学生50人を集め、関西の中小企業を紹介するセミナーを開いた。外国人を管理職に登用している企業の例を示し、日本での就職に関心を持ってもらう。来年度以降も実施する方向だ。

 関西経済連合会など7つの関西の経済団体も今冬、7人の留学生のインターンシップを受け入れた。日程は2週間程度。狙いは企業での本格的な就業体験の前に日本の商習慣やビジネスマナーに慣れてもらうことだ梅田専太郎

 日本への留学生数は近年頭打ちだが、関西に限れば比較的堅調。留学生全体に占める関西の比率は上昇傾向で、2013年度は18.9%だった。海外展開する中小企業も増えており、経済団体が仲介して留学生を取り込んでいくことで、関西企業の成長を後押しする。