富裕層向け出国税の導入へ:海外移住による税逃れ防止
富裕層の海外移住による税逃れ防止のため、欧州で導入されている仕組みと同様、日本でも出国税の導入が検討され、2015年度税制改正大綱に盛り込まれることとなった。
(日本経済新聞:2014年10月22日)
海外移住 税逃れ防止 富裕層の株含み益に課税 政府・与党検討
政府・与党は21日、富裕層の税逃れ対策を強化する検討に入った。
1億円を超える金融資産を持つ富裕層が海外に移住する場合は株式などの含み益に所得税を課税する。
仏独などがすでに導入している仕組みで、日本では年間100人程度が対象になる見通しだ。
2015年度からの実施を目指す。
-補足-
上記は、平成27年7月1日以後に国外転出する場合に適用される。
●有価証券には「未上場株」も含まれる
●その有価証券などの金額が1億円以上であること
●相続税や贈与税と出国税(所得税)の二重課税になる可能性がある
●国外転出の日から遡って 10 年以内に、国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年超である者
►所得税法に規定する有価証券は、金融商品取引法2条1項に規定する有価証券とされる。
金融商品取引法2条1項に規定する有価証券は、国債・地方債・上場株などとされており、外国株式や未上場株も含まれる。
►出国税は平成27年7月1日以後に国外転出する場合だけでなく、1億円以上の有価証券などを保有する居住者の相続や贈与により、非居住者が有価証券などを取得した場合も対象となる。
►同一の有価証券について、相続税若しくは贈与税、さらに出国税である所得税も課税されることになりますので、ある意味二重課税のような状態になる。
今後、相続税対策などで海外移住を検討する際には注意が必要。